国宝 勝興寺について

江戸時代の建築が蘇った
真宗王国の大型寺院

2022年12月、国宝指定を受ける

大広間および式台

勝興寺は、日本の浄土真宗本願寺派の重要な連枝寺院で、真宗王国越中(現在の富山県)の代表的な寺院です。その「本堂」「大広間および式台」の2棟が2022年12月に国宝に指定され、さらに10棟が重要文化財に指定されています。蓮如上人によって開かれた「土山御坊」から始まり、その寺号は再興した順徳天皇の勅願寺「殊勝誓願興行寺」から継承されました。また、江戸時代には、若き日の加賀前田家の11代当主、前田治脩が住職を務め、その歴史に彩を添えています。

真宗王国を象徴する大型寺院

本堂

勝興寺は、北陸の浄土真宗系の寺院でも破格の規模が特徴です。また、真宗寺院としては極めて稀な「上段の間」、さらに寺院内部には、精緻な技術が用いられた引手金具や釘隠しも見所の一つです。これらの要素は、「勝興寺」の建築美としてだけでなく、時代背景や宗教観を物語る文化遺産としても非常に評価されています。

勝興寺の七不思議

天から降った石

勝興寺には、長年にわたり信者たちにより伝えられてきた『七不思議』が存在します。唐門を入るとすぐにあるのが「天から降った石」で、その隣の小石で叩くと、意外にも金属のような音が響きます。他にも「実をつけない銀杏」、「水の枯れない池」、「屋根を守る魔除けの柱」、「雲龍の硯」、「三葉の松」、「四隅を護る天の邪鬼」があります。その歴史や魅力について詳しく解説する音声ガイドも用意されており、訪問者は「勝興寺」の豊かな歴史と文化を深く理解することができます。

23年間に及ぶ「平成の大修理」

本堂

建立から200年以上が経過し劣化が激しかったため、1998年から23年間に及ぶ大規模な修理が行われました。長期にわたる修復作業は「平成の大修理」と呼ばれ、建物の構造や装飾の一部は江戸時代のまま残っていたため、その維持と保存をしながらの作業は困難を極めましたが、その結果、寺院には、かつての美しさが蘇りました。書院の近くには修理前の寺院の状態を示す写真や、修理に使用された古い建築材料、そして建築模型が展示されています。

基本情報

参拝時間 3月~11月 / 9:00~16:30(入場は16:00まで)
12月~2月 / 9:00~16:00(入場は15:30まで)
料金 大人500円(400円) / 中高生200円(150円) / 小学生100円(70円)
※()内は20名様以上の団体料金
ガイド利用 ①音声ガイド貸出500円
②ボランティアガイド1時間1,000円 (予約は7日前まで)
公共交通 JR氷見線伏木駅前から5分